転職してはいけない看護師の特徴
加賀山アキコ(30代・看護師)こんにちわ。
加賀山と申します。
私は神奈川の総合病院で主任を担当している。
転職は3回経験した。
こうした経歴もあり、転職を相談されることが多々ある。
でも「あなたは転職しない方がいい」と伝えることが、しばしばある。
そんな私が思う「転職しない方がいい看護師」の特徴を書いてみる。
「しんどい」レベル
個人的に辞めるタイミングは、「嫌になった時」だと感じている。「しんどい」レベルではまだ退職をしない方がいい。
それは「どこの職場でも不満はでる」から。
正直、私は今の職場にも不満がある。
けど「我慢できない」を「我慢できる」レベルの不満にするのが転職なのだと思う。
「転職したい」「辞めたい」と思う看護師は、まずどの程度の不満なのか、自問してみてほしい。
「我慢できる」「しんどい」くらいであれば、まだ耐える時期だ。
逆に「辞めた方がいい」看護師の特徴
リセットしたい看護師は、辞めたほうが幸せになれる可能性が高い。辞めたい理由が「人間関係」「評価が低い」であれば、劇的に改善する可能性がある。
転職すれば一発でリセットできるから。
とくに人間関係で悩んでいるなら、転職すべきだと思う。
合わない人、話が通じない人、悪意のある人と顔を合わせるのは悪害でしかない。
「仕事に飽きた」という場合も転職した方がいい。
「飽き」は成長の妨げになるし、インシデントの危険も高くなる。
辞めた方が、自分のみならず、病院のためにもなる。
評価されない人は特に
一生懸命働けば、必ず報われる、評価される、給料が上がる、というのは幻想。評価は上司との相性である。
職場の政治力に左右される。
上司から嫌われれば無能扱いされ、どうでもいい仕事ばかり回され、飼い殺しになる。
良い評価はすぐに消えても、悪い評価は残り続ける。
一度無能扱いされると、その評価はずっと消えないのだ。
事あるごとに「あの人は昔…」と掘り返される。
不公平な世の中である。
いつ辞めるべきか?
転職タイミングは、人それぞれだと思う。それぞれに事情があるから。
でも「転職の準備」は常にしておくべきだ。
転職というカードをもっておかないと、病院との交渉に弱くなるから。
「私はいつでも辞められる」という気持ちが大切であり、それが「病院と対等に渡り合える」唯一の武器だと思う。
転職カードを持たないのは無防備すぎるし、損でしかない。
それに準備があれば、もし辞めるタイミングが来たら躊躇なく「エイや!」と退職できる。
職場に適応しすぎると、転職できない体質になる危険がある。
転職のメリット
一番のメリットは、リセットだと感じる。人間関係、評価、これまでの実績(ミスも含めて)。
もう1つのメリットは「世間を知る」という点だ。
1つの病院しか経験がなければ、転職すべきかどうかも分からない。
比較する対象もなく、良い職場なのか、悪い職場なのか分からない。
「どこに行っても同じ」「不満があるのはアナタの問題」と言われ、動くことすらできない。
ブラック病院に毒され過ぎて、「世の中ブラックばかり。ホワイト病院なんて幻想」だと思い込む人もいる。
でも実際は病院によって待遇は全然違う。
一度は転職をしたほうがいい。
比較対象が2つになるだけで、考えの幅はぐっと広がる。
それに「転職ってこんなに簡単なんだ」と気が付くはずだ。
一度も転職をしていない看護師は、こうした世間の実情を知った方が良い。
転職の判断をどうするか?
自分で判断できない無謀な転職はしないほうがいい。信頼できる先輩や同期に相談すべきである。
親はあまり当てにしないほうがいい。
客観的に見てくれない代表者でもあるから。
相談は「遠慮なく厳しいことを言ってくれる」少し距離のある第三者くらいが丁度いい。
そうした意味では転職サイトが使える。
彼らは商売ゆえに、遠慮はしない。
「ダメだ」と思う看護師には、登録後に連絡すらない。
担当者が付いても「あなたは転職できない」「あと1年は経験を積むべき」「待遇は今動くと確実に落ちる」とハッキリ言ってくれる。
ギリギリ転職できそうでも「希望に添える求人が少ない」と言ってくれる。
これを言われると、精神的にきつい。
しかし、だからこそ聞くべきでもある
客観的な自分のポジションを一度は聞いた方がいい。
それに転職サイトの担当者から「転職しても大丈夫」のお墨付きを貰えれば、タイミングとしては良い時期だと思う。
転職しない選択肢もある
転職で不幸になった人もいる。切羽詰まった転職は、自分を安売りすることになる。
またブラックが待っている。
だからこそ余力のあるうちに、転職活動はしておくべきだ。
地域の求人事情、自分の市場価値、ある程度の目星くらいは調べておいた方が良い。
どんなときにも「転職」というカードを捨ててはいけない。
病院は変わらないから。
悪い方向には変わるが、良い方向には変わってくれない。
そこに期待するより、自分から職場を変えたほうが手っ取り早く、確実だ。
職場の問題を解決するより、より良い環境を探す方が圧倒的に楽である。
まとめ
「しんどい」レベルは転職してはいけない。転職は「我慢できない」を「我慢できる」レベルにするものだ。
しかし「人間関係」「評価が低い」が我慢できないなら、転職がベストの選択肢になりえる。
転職の一番のメリットは、これらをリセットできる点だから。
安易な転職はいけない。
まずは腰をすえて転職活動してみてほしい。
では。