このサイトにはPRが含まれています

看護師10年目ですが惨めです。辞めるか悩んでいます【相談】

ご相談

三浦さん(30代・看護師)

初めまして。
少し相談させてください。

私は看護師10年目の女です。
今の職場に転職して、7年ほど経ちます。

新人の頃から、一人で何でもできる看護師になりたく、頑張ってきました。
毎日の勉強、看護研究、どんな仕事も断らず、夜遅くまで残業してきました。

その甲斐もあってか、一度は「主任に」という話もありました。
でも結局主任になったのは、1年下の後輩でした。

私はただの看護師のままです。

それでも頑張り続けてきました。
でも最近では、後輩達が役職に就くようになり、どんどん私を追い抜いている状況です…。

師長には「辞めたい」と相談しましたが、「辞めてもらっては困る」と言われました。
でもそれは「シフト要因として必要」という意味なのは分かっています…。

正直、惨めです。
死にたいくらいに。

もちろん私の頑張りが足りないのは分かっています。
でもどうしても、これ以上のやる気が起きないのです…。

もっと頑張るには、どうしたらいいと思いますか?
漠然とした相談で申し訳ありません。


回答

飯田幸子(38歳・精神科主任)

ご回答が遅くなり申し訳ありません。
色々と悩み、遅れてしまいました。

最初は「看護とは」「仕事とは」「病院とは」といったアドバイスを考えていました。
でも考えれば考えるほど、三浦さんが求めているのはそうしたアドバイスではないと思ったのです。


実は私にも似たような経験があります。

私は新卒の頃、大学病院に入職しました。
「かっこいい看護師になりたい!」と思っていました。

人一倍努力したと思います。

その結果として31歳で主任になりました。
同期の中でも一番乗りで、順風満帆でした。

でも少しずつ歯車は狂いだしていたのです。

大学病院には優秀な人が集まってきます。
勉強熱心で、自頭が良く、知識があって、何にでも積極的で、しかもコミュ力まで高いような。

私より仕事ができる子はゴロゴロいました。

私に相談なく物事が進み、ミスを指摘され、「山田さんのやり方は間違っている」と面と向かって後輩から言われもしました。
プライドはズタボロ。
主任になった事を後悔し、自己嫌悪の毎日です…。

そんな状況ですから、下の子達は誰も着いてきてくれません。

そんな頃に異動の話がありました。
要は「一からやり直せ」という意味です。

私は耐えきれず、逃げるように病院を辞めました。
この時は、周りの全員が敵に見えていましたね(^^;)

そんな私も今では38歳になり、子供もできてそれなりに幸せに暮らしています。

・・・

さて。
ご相談の「もっと頑張るにはどうしたら?」についてですが。

私としては「これ以上頑張る必要あるのかな?」と思うのです。


人には誰にでも人生の転換期が来ます。
特に「上へ上へ」という生き方は、長続きしないものです。

でもそこから離れるのは、決して悪い事ではありません。
離れて気が付くこともあるからです。

私の苦しみは「何者にもなれない」という絶望感でした。
どんなに努力しても、どんなに苦しんでも、どんなに時間を費やしても、上には上がいるものです。

私はただの凡人でしかなかったのです。
なかなか認めがたい事実でしたが…。

でも同じように悩む人は多いです。
自分の才能に絶望し、諦め、いずれはありのままの自分を受け入れます。
特に女性の場合は「結婚、出産、子育て」がよい言い訳になってくれます。

もちろん逃げずに戦い続ける人もいますが、必ず何かが犠牲になります。
家庭だったり、子供だったり、親だったり、自分自身だったり。

正直私はホッとしました。

上を目指す働き方には、息苦しさを感じていたからです。
経験を積めば積むほど、求められるハードルも高くなります。
にもかかわらず、昔のように頑張れない自分に嫌気がさしていました。

でもやる気の問題は誰にでも訪れます。
プロスポーツ選手ですら「モチベーションとの戦い」と言われるくらいです。

経験を積めば、いずれ成長が止まる時期がきます。
「すごい看護師になりたい」とやる気を出そうにも、成長が止まってしまっては、難しい話です。


私の夢は「幸せな家庭を築く」に変わりました。
ベタな夢ですよね(^^;)

でも今の方が、長い期間モチベーションを保ち続けられると思うのです。

もちろんこれを「逃げ」だと非難する人もいるでしょう。
でもそうした人達もいずれ苦しむことになるのです。

病院という場所は、常に変化し続けます。
そこでうまくやり続けるには、上手に立ち回る器用さが必要になります。

ここで言う器用さとは、自分なりの「仕事の面白さ」を見つける能力です。
「何者かになりたい」と執着すると、いずれ地獄を見ます。

私や三浦さんのように…。


もし不幸にもそうなった時、大切なのは苦しみを引きずらない事です。

人の脳は、忘れたいと思えば思うほど、強く執着してしまいます。
私は今、市立病院の精神科で主任をしていますが、「苦しみを吐き出せる人」のほうが立ち直りは断然早いです。


幸いにして三浦さんは、悩みを吐き出せる方です。

三浦さんは「必要とされない自分」に悩んでいるのではないでしょうか?
看護師なら一度は悩む問題だと思います。

だからこそ「その思いを身近な方に相談してみては?」と思うのです。

友人知人、親兄弟、転職サイトのカウンセラー。
ハローワークや看護協会の方でも相談に乗ってくれます。

もちろん自分の弱さをさらけ出すのは、恥ずかしさがあるのも分かります。
しかし優秀な方ほど、一時の恥を捨て、行動できるものです。

私から見ると、三浦さんはとても優秀な方のように感じられます。
自分の弱さを感じ取り、それを変えようと、誰かに相談できる方だからです。

そうした方ほど、人生はより良い方向に進むと思うのです。


私は、恥を忍んで、転職サイトのカウンセラーの方に相談したことがあります。
カウンセラーの方は、親身に話を聞いてくれ、「幸せな家庭を築きたい」という思いに共感してくれ、最大限当てはまりそうな病院を探してくれました。

その結果として、今の病院に勤めています。
幸せの土台となる、時間のゆとり、それなりのお給料、将来の安定を手に入りました。
精神科という畑違いの職場でしたが、自分が必要とされている実感もあります。

でも若い子達と張り合おうとは思っていません。
むしろ色々と教えてもらっています(^^;)

気を張らずに働ける環境です。
ふつうに働けば、ふつうに成果が出て、それを評価をして頂けるような。

私には、こうした職場が合っていたのです。

・・・

あなたは十分頑張ってきた。
これ以上頑張る必要なんてない。

運悪く、今の職場とは少し合わないだけだと思います。

しかし私達は運が良いことに看護師です。

日本には、病院が10万件以上もあります。
三浦さんを必要としてくれる職場は、日本中に沢山あるのです。

今の職場にこだわる必要はありますか?
もしないのであれば、他の職場を探してみてほしいのです。

三浦さんが花開く職場は必ずあります。
必ずです!

そうした職場が見つかることを願っております(^^)

まずは一歩行動してみてください。
良い報告をお待ちしております(*^_^*)

参考:▶私がお世話になった転職サイト

↑ここは20代、30代の看護師に力を入れているそうなので、相談だけでも大歓迎されますよ。